杉浦茂プロフィール

 


 

Sugiura Shigeruその一 漫画家になるまで

1908年(明治41年)4月3日、東京都本郷区(現文京区)にて開業医の三男として生まれる。 小学校時代の同級生の影響で「立川文庫」「落語本」「講談本」などに出会う。そのときに「西遊記」「猿飛佐助」「霧隠才蔵」「真田幸村」「忍術児雷也」など後々の作品の下地になるような話を友人から吸収したのであった。
また「活動写真」についても同級生らと見に行ったそうである。杉浦少年のお気に入りは西部劇だった。六年生の遠足で初めて「草履」を履き「サルトビーだあサルトビだあ……」とはしゃいだそうである。当時の子供は皆「立川文庫」で真田十勇士のことをよく知っていたのだ。
中学三年のとき上級生の友人により洋画家「藤田嗣治」を知る。画家になる夢が目覚めたのもこの頃のようである。既に父親を亡くしていた茂は中学を卒業するが美術学校に進める身分ではなく「太平洋画会研究所(帝展系)」へ入所することとなる。
1926年のことである。1930年には「夏の帝大」という作品で帝展洋画部に初入選を果たす。医師になった兄たちの援助での生活が続くなか、知人に「田河水泡」への紹介状を書いてもらう。三ヶ月間悩み1932年4月田河水泡を訪ね入門することとなった。時を同じくして「倉金章介」も住み込み弟子に決まったそうである。杉浦茂は週に二、三回田河宅へ通う通い弟子になった。そうして杉浦茂の漫画家見習い生活が始まったのである。

参考文献
「杉浦茂ワンダーランド別巻 まるごと杉浦茂」1988年ペップ出版
「杉浦茂—なんじゃらほい—の世界」2002年三鷹市美術ギャラリー
「杉浦茂 自伝と回想」2002年筑摩書房
「杉浦茂の摩訶不思議世界 へんなの」2009年晶文社